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2014年9月17日水曜日

発熱

<発熱>
☆高齢者の発熱は、まず誤嚥性肺炎か尿路感染症(女性/前立腺肥大のある男性)→胸部レントゲン、採血、尿沈渣。褥瘡/関節炎/前立腺炎検索も忘れずに。
  ・尿中肺炎球菌莢膜抗原陽性であれば肺炎球菌が起炎菌となる肺炎、髄膜炎、副鼻腔炎がある。
  ・GNRによるものは、クラビット500mgでもいいがバナン200mg分2を7日間処方の方が感受性が高い。
 ・淋菌クラミジア混合感染
  男性はトロビシン2g筋注とジスロマック1000mg1日分
  女性はロセフィン1g点滴とジスロマック1000mg1日分
☆熱源探しは、ABCDE4Ps(abscess,bone inflamation,cholangitis胆管炎/cholecystitis胆嚢炎, decubitus/DVT,endocarditis/encephalitis,pneumonitis,prostatitis,pyelonephritis,phlegmon蜂窩織炎,sinusitis)
☆胆嚢炎、胆管炎を肺炎と誤診することがよくある。右季肋部痛や黄疸ないか見る。
☆特にCRP高値(20以上)では膿瘍を検索する(膿瘍もカプセル化してしまうとCRPは低い)。
☆側臥位では腸骨稜や大転子部、仰臥位では仙骨部、車椅子では坐骨結節に発生しやすい。
☆CRPが20くらいまで上昇してる腎盂腎炎でも発熱ない場合や蛋白尿、赤沈亢進の場合がある。血管炎の場合もあるので、間質性肺炎ないか、慢性経過か急性経過が大切。抗生剤加療で改善認めなければ血管炎を考慮。
☆UTIの起炎菌は大腸菌。嫌気性菌は少ないのでS/Aは1st choiceではない。腎盂腎炎も第2世代のセファロスポリンやセフォチアムでカバー可能。ESBL産生菌であればカルバペネムが必要。症状が軽い場合はセフメタゾールもESBLに使える。ESBLに対し、セファロスポリンにゲンタマイシンのようなアミノグリコシド系抗菌薬を加えてもよい。
☆皮膚感染やカテ熱はMRSAの可能性を考慮する。血培からMRSA検出されるようならVCMはいくように。
☆血培は陰性でも日数をあけて最低2回は検査する。抗生剤投与中は一旦中止してから採取する。
☆痙攣後は意識混濁や発熱が見られることがある。経過観察。
cf)PCT(プロカルシトニン)について
 ・CRPよりも早期に上昇し、CRPに比べれば感度も特異度も高い
 ・ウィルス感染では上昇せず、細菌感染で上昇する
 ・ウィルス感染→IFNα↑→TNF阻害→PCT合成阻害
 ・敗血症の診断では感度も特異度も70%程度
 ・熱傷、外傷、外科手術、膵炎でも上昇する→敗血症の診断には使えない
 ・外来での抗菌薬を使うかどうかの指標には使えるかもしれない
cf)
 ・悪性高熱:筋小胞体の先天異常+ハロタン/サクシニルコリン⇒筋代謝増加⇒筋強剛⇒横紋筋融解⇒発熱
 ・悪性症候群:D2blockerによる視床下部ドパミン受容体抑制⇒高体温、自律神経調節障害⇒筋強剛
cf)薬剤誘発性高体温
MAOI、三環系抗うつ薬は高体温の原因になる(薬剤誘発性高体温)。
cf)熱以外に症状に乏しい疾患:急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、肝膿瘍、胆管炎、IE、カテ感染、蜂窩織炎、歯髄炎、カンピロバクター腸炎の初期。
cf)薬剤熱は比較3原則(比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP低い)。
cf)長期臥床では褥創の他に胆嚢炎もある。
cf)見逃しやすい熱の原因:感染性心内膜炎、輸血、偽痛風、DVT、中枢熱、膠原病、血管炎、腫瘍熱、炎症性腸疾患、副腎不全、亜急性甲状腺炎、異物感染(CVの血流感染、尿道カテーテルの腎盂腎炎、挿管による肺炎、胃管による副鼻腔炎、人工弁、人工血管、人工関節)
cf)平熱が低いという人について
・平熱には個人差があり、35.6-38.2℃
・腋下の脂肪が厚く、血管が少なければ測定値は低くなる
・朝に低く、夕方に高いが、日内変動は平均0.5℃
・高齢になると基礎代謝が落ちるので低下
 →普段の平熱より1℃以上の上昇があれば発熱ととらえてもよい
注意)血圧低下時の解熱の基本は、①クーリング、②カロナール内服、③アセリオ点滴(1000mg/100ml1瓶→300mg/30mlを生食100mlなどに溶かして15分で点滴する)→アンヒバ坐薬は血圧下がることは少ない(坐薬は嫌がることが多い)→ボルタレン坐薬やメチロン筋注は避ける!!

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