☆療養病院でのIVH管理まとめ
注意)異常があるからといって、すぐに抗生剤を開始したり、利尿剤を開始したりしないこと。
①アミノトリパ1号850ml+ビタジェクト1A+ソルデム3A200mlから開始(もしくはネルネオパNF1号1000ml)⇒安定していればフルカリック2号1000ml+メドレニック1Aに変更
cf)基本は1000mlだが、男性や大柄女性にはソルデム3A200mlや500mlを追加し1200-1500mlにしておく。
cf)ターミナルでない場合は最低1000mlは入れておくこと。ターミナルとは低栄養が進行し浮腫と尿量減少(濃尿)が来た状態を指す。
cf)TPN開始後、3日間は1日1回のBS測定を行うこと。知らずに高血糖から脱水になっている場合あり。
cf)利尿剤の内服を中止した場合は点滴量を減らすこと。
②熱があるならスルペラゾン(SBT/CPZ、後発:セフロニック、セフォン、ワイスタール全て同じ)1g+N/S100ml1日2回を5日間投与。改善あればさらに5日間追加し中止。改善なければMEPM0.5g+N/S100mlに変更し5日間投与する。それでも改善なければカテ抜去する。
cf)フルカリック2号でカテ熱疑いの場合はエルネオパNF1号に変えると発熱が収まる場合がある。
cf)終末期では肺炎と心不全は高率に合併し線引きが難しい。
③頻脈が続くならワソラン1A+N/S100ml投与。改善なければジゴシン0.5A+N/S100ml連日投与から開始。
cf)経管栄養時の頻脈発作の場合、ハーフジゴキシン1T(0.125mg)+プラビックス(クロピドグレル)75mg内服で改善することがある。
④浮腫、SpO2低下、レントゲンでのうっ血像(butterfly shadowもしくは両側上肺野のうっ血像もしくは片側/両側胸水)の3つが全て揃えば(どれかだけではダメ)バルーン留置しラシックス1A+N/S100ml開始。改善あればラシックス中止(脱水になってしまうので漫然と継続しないこと)。
cf)浮腫のみで利尿剤は開始しないこと。浮腫+SpO2低下であれば利尿剤を開始してもよい。
cf)心不全による頻脈では利尿剤ではなく、ワソランやジゴシンを投与すること。
cf)③、④の両方が認められるならラシックス1A+ジゴシン0.5A+N/S100mlから開始する。
cf)メインを減らす場合はアミノトリパ1号をビーフリード500mlに変更するが、まずはラシックス投与のみで様子をみていく(メインを減らすのと利尿剤開始を同時にしない)。
⑤尿量減少(濃尿)は皮膚乾燥やturgor低下あれば点滴(ソルデム3A500ml)を5日間追加し尿量を見ていく。高Na血症の場合は5%TZ500mlを1週間追加し改善あれば中止。
⑥尿量減少(濃尿)でも浮腫や皮膚湿潤ある場合は低Albが原因の膠質浸透圧低下による血管内脱水なので点滴を絞っていく(アミノトリパ1号850ml)。急性期病棟なら本来はアルブミン点滴+ラシックス持続投与+トロッカーのケース。
cf)心不全や腎不全による尿量減少は原則は希釈尿である!
⑦褥瘡あればメドレニック1Aを追加する。改善ないときはイントラリポス100ml(+フラッシュ用生食)を週1回投与する。
⑧茶色嘔吐あれば内服中止し、NGtube(マーゲンチューブ)を留置し開放、
ガスター1Aもしくはオメプラゾール1A+N/S100mlを10日間投与し改善あれば中止。
⑨点滴が思わぬスピードで入ってしまった時
拘縮が強いとCVカテが折れ曲がり点滴スピードの調節が難しくなる。姿勢や体位の変化で短時間で点滴が入ってしまう時がある(看護師の怠慢ではないので注意!)。血糖測定を指示し、3号液500mlを次の点滴更新までつなぐように指示すると良い。
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