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2014年9月21日日曜日

浮腫の原因

☆浮腫の原因
注意)溢水か脱水か
・下肢末端に浮腫があっても溢水とは限らない
・低Alb血症にて浮腫を起こしていても皮膚乾燥あれば溢水ではない
・下肢末端だけの浮腫かつ皮膚乾燥なら利尿剤は必要ない

→あきらかな心不全の既往がない限りは体格小はアミノトリパ1号850ml、体格大はフルカリック1号1000mlくらいから開始し、下肢全体の浮腫が来たらラシックス1A+生食100mlなど追加、皮膚乾燥出てくれば、点滴量を追加していく(療養病院の場合)
原因不明の下肢浮腫の3/4は静脈うっ滞やリンパ浮腫。心不全、DVT、骨盤内悪性腫瘍をとりあえずは否定することが大切。
<全身性のことが多い>
・肝機能、腎機能、心機能をチェックする。
・Albは2.5以下であれば浮腫の原因になりえる(肝疾患、蛋白漏出性胃腸症、低栄養)。
・薬剤が原因になることもある。例:NSAIDs,Ca拮抗薬,甘草(漢方),Na(抗生剤の点滴),ステロイド,リリカ,ACEI,抗がん剤など
・甲状腺機能低下症
<片側性のことが多い>
・深部静脈血栓症:腫脹が中心、両側性のこともある
・蜂窩織炎:発赤や熱感、疼痛が中心
・リンパ浮腫:皮膚が硬い、下肢挙上で改善しない、骨盤内の癌や乳がん手術、リンパ節郭清が原因。軟部組織感染を繰り返しやすいのでフットケアが重要(下肢挙上や弾性ストッキングも有効だが静脈うっ滞ほどは有効ではない)
・静脈うっ滞:皮膚は軟らかい圧痕性、毛細血管拡張>静脈瘤>浮腫>色素沈着、静脈うっ滞性皮膚炎>潰瘍。車椅子や臥床の時間が長いことが多い。患肢挙上やマッサージ、弾性ストッキングが有効。
cf)浮腫の鑑別:
①脛骨前の浮腫を押しても直ちに戻る場合(non-pitting edema):リンパ浮腫(直腸がんや婦人科領域の悪性腫瘍)、甲状腺機能低下症、血管性浮腫(毛細血管透過性亢進)
②圧痕が5秒程度残る場合(fast edema):低Alb血症(2.5g/dl以下、Albが低いほど間質の水分が増えて圧痕がより速く戻る)→低栄養、ネフローゼ、肝硬変
③片側の浮腫:蜂窩織炎(訴えの割には皮膚所見が乏しい場合や急速に広がる場合は壊死性筋膜炎を疑うこと)、DVT、リンパ浮腫(解剖学的に左総腸骨静脈は右総腸骨動脈に圧迫されているため、左下肢は生理的に浮腫が生じやすい)
④両側の浮腫:腎不全、肝不全、心不全、甲状腺機能低下症
⑤眼瞼の浮腫:下眼瞼のみなら心不全、全周性なら低ALB血症
⑥手背の浮腫:RS3PE(remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema)症候群による左右対称性の滑膜炎による圧痕性浮腫
⑦口唇の浮腫:血管性浮腫(遺伝性血管性浮腫、Quincke浮腫、好酸球性血管性浮腫)、薬剤誘発性血管性浮腫→「喉の違和感」 「呼吸困難」の有無をチェックし、ペニシリン系抗菌薬、降圧薬(ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)、アスピリンなどNSAIDs服用歴ないかチェックする
⑧Ca拮抗薬、NSAIDs、甘草などは浮腫の原因となりえる。
⑨車椅子や寝たきり状態では下肢筋肉のポンプ機能が低下し、不動性浮腫やchair edema、麻痺側の静脈はうっ滞しやすい。

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