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2014年9月17日水曜日

眩暈

<眩暈>
★回転性眩暈(vertigo)か浮遊感(diziness/presyncope)か区別する。
★”世の中がぐるぐる回ってる”、”景色が横に流れる”、”意識は遠のかない”は、回転性眩暈(vertigo)。
★”意識が遠のく”、”目の前が真っ暗になる”、”ふらつく”は、浮遊感diziness/presyncope)。
☆”ふらついて倒れた”は意識消失があれば失神で、意識消失なければ眩暈として対処する。
☆vertigoではほとんどが内耳性だが小脳脳幹病変をr/oする。
☆diziness/presyncopeは心血管性失神(AR/AS,AVB,SSS,除脈伴ったAf,HOCM)と起立性失神(出血/貧血/脱水)をr/oする。
☆内耳性(vertigo)
 ・頭位変換で眼振出るならBPPVかも。じっとしてるとおさまる水平性眼振あり。
 ・BPPVなら飛行機は避ける!
 ・風邪が先行し、耳鳴り難聴ないなら前庭神経炎かも。
 ・SSRI、抗ヒスタミン薬、降圧薬利尿薬、抗癲癇薬も原因となる。
 ・内耳の循環改善にアデホスLコーワ2A、シチコリン1A、シアノコバラミン1A、メイロン1Aを生食100mlに溶いて30分で投与する(眩暈点滴セット)。入院後は1日2回投与。メイロンはラクテックに入れるとCaと結合して沈殿するので注意。
 ・嘔吐にはプリンペラン(メトクロプラミド)10mg2mL 1Aをi.v.かナウゼリン(ドンペリドン)坐薬10mg、アタラックスP(H1拮抗薬)1A i.v.、ノバミン(プロクロルペラジン)5mg/1mL 1A i.m.、リンデロン(ベタメタゾン)坐薬0.5mgなど。
 ・指鼻試験正常、回内回外運動正常、体幹失調なし、麻痺なし、構音障害なし、眼振なし、複視なし、で眩暈点滴セットで症状消失したなら、ベタヒスチンメシル12mg(メタヒスロン)12mg3錠、セファドール25mg3 錠、ナウゼリン5mg3錠分3毎食後で処方し、近日中に耳鼻科受診を指示し帰宅。
 ・耳鳴り難聴あれば、初発なら突発性難聴か繰り返すならメニエール病か。
☆小脳脳幹性(vertigo)
 ・眩暈点滴セットでも改善しないなら、小脳脳幹の出血を否定するために頭部CTを行う。小脳出血ではほとんどに頭痛がある。
 ・急性期の梗塞の場合はCTでは検出できないので、頭部MRIを行う。PICA領域がほとんど。
 ・1hr以内の超急性期はDWIでも検出できないのでMRAも行う。椎骨脳底動脈解離を否定するためにBIPAS(ビーパス)というMRIのモードで撮影してみるとよい。
 ・小脳の脳卒中は話せないくらいの嘔吐が続き、そのうちMalloryWeissを起こす。吐血すれば血圧は下がるが、この場合は高いか正常のまま⇒GIFよりCT/MRIを。もしくは眩暈改善時に歩けるかチェック(小脳虫部梗塞では体幹失調が出るだけで指鼻や回内回外など正常のことも多い。
☆diziness/presyncope
 ・失神の場合に準じる。
 ・後ろに振り向いたときに浮遊感が起きるなら椎骨脳底動脈血流不全の可能性あるため、後日脳外科受診を指示。
cf)回転性眩暈で以下の項目がどれにも該当しなければ耳鼻科疾患として帰宅可能(1項目でも該当すればDWI施行を)
  ・顔面や四肢に自覚的な感覚障害がある
  ・他覚的な温痛覚障害がある
  ・指鼻試験、膝踵試験で左右差がある
  ・単脚立位が閉眼で不可能である
  ・眼裂の狭小化、左右差がある
  ・暗所下で瞳孔に左右差がある

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