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2014年9月17日水曜日

熱中症

<熱中症>
☆腋窩乾燥、CRT2秒以上、IVCがAoよりも小さい(最短径10mm以下)なら補液を。
☆熱痙攣(水だけ飲んで低Na)⇒熱疲労(脱水メイン)⇒熱射病(40℃以上の高体温/意識障害あり)
☆汗があるときは腋窩温は低めに出るので、口腔温か直腸温を測定する。
☆合併症は横紋筋融解症(尿がコーラ色+CPKが10000超え)、高K、低Ca、高乳酸。
☆治療は外液投与、ぬるま湯の吹きかけとうちわであおぐ、合併症の治療。
☆若年者が野外で運動中に汗を大量にかいて汗が出なくなって熱中症になったものと、老人と小児が暑い部屋や車内にいて高体温になったもの(古典的熱中症)の2パターンがある。古典的熱中症では外液投与はあまり必要でないこともある(冷却メイン)。
☆尿比重を急性腎不全の関係。比重1.010→Uosm350→腎性、比重1.020→Uosm700→腎前性、比重1.030→Uosm1050→腎前性。FENaを計算すれば良いが。
☆脱水の喪失量の目安⇒症状なしなら2L(軽症、体重5%減)、粘膜乾燥なら4L、turgor低下なら6L(中等症、体重10%減)、ショック/意識障害なら6L以上(重症、体重15%減)。維持量(水1ml/kg/hr,Na5g=85mEq,K5g=65mEq,Glu200g)に加えて喪失量を2,3日で補う。

cf)トライアスロン競技における熱中症の検査成績(日本臨床内科医会会誌、11巻、4号)
1. バイタルサイン:体温上昇(38-40度)、血圧低下気味(70-110/0-70)・脈拍(100-150)
2. 症状:発汗(+~-まで様々)、頭痛、嘔吐、腹痛を伴う場合がある。
3. 血清電解質等
a.Na・K・Caは来院時高値の傾向、翌日に低下。
b.クレアチニンも来院時高値の傾向、ただし翌日も低下したが高値。
c.BUNは来院時高値の傾向、翌日同じく高値。
d.総蛋白は来院時高値で、翌日に有意に低下。
4. 血糖・筋肉系酵素・乳酸値等
a.GOT・GPTは来院時高値で、翌日さらに上昇。
b.LDHは来院時高値で、翌日僅かに上昇。
c.CPKは来院時高値で、翌日さらに上昇(直腸温が41度以上は有意に高値)
d.ミオグロビンは来院時高値の傾向、翌日に低下。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
e.血糖は直腸温が41度以上の高体温例では低血糖を示す場合があったが、大部分高血糖気味で翌日も変わらない。
f.乳酸は来院時高値の傾向、翌日に低下。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
5.CBC等
a.RBC・Htは来院時高値、翌日に低下。
b.WBCは来院時高値、翌日同じく高値。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
c.血小板数は来院時正常で、翌日に低下。直腸温が41度以上では翌日低値となり15万以下の例もあった。
d.APTTは来院時延長傾向、直腸温が41度以上では更に延長。
e.フィブリノーゲンは来院時正常で体温に関係なし。
6.血液ガス・浸透圧
a.来院時はpH低下・HCO3-低値・AG高値等アシドーシスを示した。
b.血清浸透圧は来院時高値で、翌日も同じ様に高値だった。
7. 血中ホルモン
アドレナリン・ノルアドレナリン・コルチゾールともに来院時高値で、翌日正常化 。バソプレッシンは来院時高値で、翌日低下するも依然高値だった。

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