<"武漢コロナ"(SARS-CoV-2→感染症はCovid-19:Coronavirus disease 2019)>
・コロナウィルスはもともとかぜウィルスで4種類(229E、OC43、NL63、HKU1) 。
・かぜの35%はコロナウィルス (他はライノウィルスやパラインフルエンザウィルス)。
・新型コロナにはSARS(2003年)やMERS(2015年)もあった。
・SARSは2003年に世界で広まり800人が死亡。致死率は10%。
・SARS-CoV-2、SARS、MERSももとは動物のウィルスだが、突然変異で人に感染するようになった。
・SARS-CoV-2の遺伝子配列はコウモリのbat coronaviurs
RaTG13と96%が同じ(SRAS以降、中国南部の洞窟でコウモリ体内のウィルスを調査し、RaTG13は人に感染する可能性としては低いとされていたが、RaTG13と人由来のコロナが豚の細胞で交叉し変異したのではと考えられている)。
・武漢の海鮮市場ではコウモリやネズミの肉も売られていた(人獣共通ウィルス:Zoonotic Virus)。
<感染経路>
・くしゃみやせきでうつる飛沫感染と直接的な接触でうつる接触感染。
cf)SARS-CoV-2の生存期間:空気中3hr、ボール紙24hr、プラスチック/ステンレス表面72hr
・1人が4-5人に感染させる。SARSは1人以下、インフルエンザは2-3人、はしかは12-18人。
・2人に1人が潜伏期間の人から感染→完全封じ込めが困難
(SARSは潜伏期間には感染性がなかったし、SARS特有の肺炎症状を示したため迅速対応が可能だったが、SARS-CoV-2は非典型的な症状や肺炎像なので診断が困難)。
・約50%で糞便中にSARS-CoV-2陽性。呼吸器検体が陰性になった後も1-12日陽性が続く。
(慢性胃炎による胃酸pH上昇で嚥下された痰や鼻汁、唾液中のSARS-CoV-2が殺菌されないと糞便中に排泄が続いたり、重症化につながるのではないか)
・SARS-CoV-2は細胞表面のACE2蛋白と結合し侵入→消化管でACE2発現が高い→胃酸pH低下で殺菌不十分だと消化管で増殖し重症化しやすい。
cf)ノロウィルス:pH2-10で生存→大多数で感染/増殖
SARS-CoV-2/ロタウィルス:pH3-10で生存→胃酸不十分な乳幼児や高齢者で感染/増殖
cf)鼻腔:pH5.5-6.5、肺:pH7.4、胃:pH1-2
<症状>
・発熱(約85%)、咳嗽(約65%)、咽頭痛、息苦しさ、悪寒、筋肉痛/倦怠感(約80%)、下痢(約25%→腹部症状は重症化リスク)など。
例)1/20-21に感染者と接触→1/24咽頭痛、悪寒、筋肉痛→1/25に39.1℃の発熱、湿性咳嗽→1/26軽快→1/27仕事復帰(PCRは陽性)。
・ほとんどの人は軽症状だが、20%で重症化する (インフルエンザは感染後細菌性肺炎で死亡する例が多いがCOVID-19はウィルス性肺炎/ARDSをおこす)。
・潜伏期間は1-14日、平均は10日。 中央値は5日。
・新型コロナの感染力が高いのは発症2~3日前でピークは0.7日前。
・死亡例は糖尿病、高血圧、心疾患など基礎疾患がある場合が多い。
・心血管系症状(CVM)(①動悸や胸部不快感がある、②CK-MBあるいは高感度トロポニンIの上昇、③洞性頻脈を含め、新たな心電図異常)のうち1つ以上満たす場合は重症化しやすい。
・致死率は武漢では5%、他では1%。武漢では患者の数が多すぎて適切な医療が受けられず死亡する例が多いため。
・致命率:10才未満:0.01%,10代:0.02%,20代:0.09%,30代:0.18%,40代:0.40%,50代:1.3%,60代:4.6%,70代:9.8%,80才以上:18.0%
・肥満率10%以下の国の死亡率は肥満率20%以上の国の10分の1以下。
cf)最も肥満者の少ないベトナム(2.1%)では死亡者は0(2020/7)。
<検査>
・白血球はほとんど正常(約70%)で、リンパ球減少(約70%)や好酸球減少(約50%)を認める。反応性蛋白(CRP)は5程度。
・CRP、赤沈、LDHは初期CTの肺炎重症度と有意に相関。
・CT所見:
GGO+浸潤影 54.9%
GGOのみ 35.5%
浸潤影のみ 5.9%
血管拡張 82.4%
小葉間隔壁肥厚 70.6%
air bronchogram sign 68.6%
halo sign伴う結節 17.6%
halo sign伴わない結節 3.9%
胸水 2.0%
縦隔リンパ節腫大 0%
・胸部CTの感度はRT-PCRよりも高い(98% vs 71%, p<.001)。
・重症呼吸不全のないCOVID-19肺炎の胸部CTでの重症度は症状発症から10日目が最大。
・2回の咽頭PCR陰性では見逃す可能性あり、疑わしい場合は胸部CT。
・口腔スワブPCRが陰性でも腸管や血液でPCR陽性となることがある。
・ELISA IgM抗体、IgG抗体は感度87.3%、特異度100%。
・迅速簡易検出法(イムノクロマト法)血中SARS-CoV-2抗体検査の陽性率: 発症6日まで:IgM 0%,IgG 7%、発症13日以上:IgM 59%,IgG 97%
cf)PCR:感度 30-70%、特異度 ほぼ100%
・中和抗体について:
・COVID-19の中和抗体は発症10-15日後に検出。
・抗体量は個人差があり、1/3は非常に少量しか検出されなかった(再感染の可能性)。
・高齢患者では抗体量が多かった。
・抗体量はCRPと強い正の相関、白血球数とは負の相関。
・感染患者の5.8%が他の病原体検査(インフルエンザなど)が陽性だった(共感染)。
<COVID-19非重症例と重症例の違い>
・重症化例は全例、「両肺全葉」のGGOがあり。
・リンパ球絶対数:非重症例、重症例とも1000/μL前後で違いなし
・CRP:非重症例の中央値3.7mg/dL(IQR:1.0-7.6)、重症例中央値11.0mg/dL(IQR:7.1-15.3)(p<0.001)
・フェリチン:非重症例323.1ng/mL(IQR:114.1-840.8)、重症例787.5ng/mL(IQR:699.9~1407.3)(p=0.002)
・KL-6:非重症例250U/mL(IQR:190.8-337.8)、重症例333.5U/mL(IQR:261.0-554.1)(p=0.04)
引用元)https://www.carenet.com/news/general/carenet/51387,
https://pulmonary.exblog.jp/29339781/
<子供が媒介になる>
「子供は大人の10-100倍のウイルスを出している」(JAMA Pediatr 2020; 174: 902-903)
「ICUで治療している重症成人患者より子どもは大量のウイルスを排泄している」(J Pediatr DOI:10.1016/j.peds.2020.08.037)
「子供は大人の10-100倍のウイルスを出している」(JAMA Pediatr 2020; 174: 902-903)
「ICUで治療している重症成人患者より子どもは大量のウイルスを排泄している」(J Pediatr DOI:10.1016/j.peds.2020.08.037)
<予防>
・手洗い、せきエチケット (マスク)。
・免疫力UP(ビタミンD(肝油)、ビタミンC、亜鉛、セレン、麻黄(INF↑))
・手洗い、せきエチケット (マスク)。
・免疫力UP(ビタミンD(肝油)、ビタミンC、亜鉛、セレン、麻黄(INF↑))
<治療>
・基本は対処療法(酸素吸入、点滴、細菌性肺炎を併発した場合は抗生剤、ARDSの治療)。
・50歳以上またはDM/心血管疾患/慢性肺疾患/喫煙によるCOPD/免疫抑制状態では低酸素血症を認めた時点でカレトラ、アビガンを投与開始。カレトラよりもアビガンの方がPCR陰性化には効果あり。
・カレトラ(ロピナビル・リトナビル)はもともとHIVに対するプロテアーゼ阻害薬。
・アビガン(ファビピラビル)はもともとインフルエンザウィルスに対するRNAポリメラーゼ阻害薬。
・リトナビルによる薬剤相互作用があるため、併用薬に留意する。
・リトナビル使用開始前にHIV感染の有無や、内用液を使用する場合はアルコール過敏がないか確認する。
・アビガンはピラジナミド、 レパグリニド、テオフィリン、ファムシクロビル、スリンダクと薬物相互作用がある。
・アビガンは動物実験では催奇形性があり、妊婦や妊娠の可能性のある人には投与しない。
・アルビドル(ウミフェノビル)の曝露後予防(PEP)は発症を強く予防する(治療効果は疑問視)。
・ワクチンは現在開発中。
・基本は対処療法(酸素吸入、点滴、細菌性肺炎を併発した場合は抗生剤、ARDSの治療)。
・50歳以上またはDM/心血管疾患/慢性肺疾患/喫煙によるCOPD/免疫抑制状態では低酸素血症を認めた時点でカレトラ、アビガンを投与開始。カレトラよりもアビガンの方がPCR陰性化には効果あり。
・カレトラ(ロピナビル・リトナビル)はもともとHIVに対するプロテアーゼ阻害薬。
・アビガン(ファビピラビル)はもともとインフルエンザウィルスに対するRNAポリメラーゼ阻害薬。
・リトナビルによる薬剤相互作用があるため、併用薬に留意する。
・リトナビル使用開始前にHIV感染の有無や、内用液を使用する場合はアルコール過敏がないか確認する。
・アビガンはピラジナミド、 レパグリニド、テオフィリン、ファムシクロビル、スリンダクと薬物相互作用がある。
・アビガンは動物実験では催奇形性があり、妊婦や妊娠の可能性のある人には投与しない。
・アルビドル(ウミフェノビル)の曝露後予防(PEP)は発症を強く予防する(治療効果は疑問視)。
・ワクチンは現在開発中。
<マスクの再利用>
・マスクが品薄で入手できない場合はマスクの再利用するしかない。
・SARS-CoV-2はエアロゾルで感染(空気感染)する可能性が指摘。
・マスクについたエアロゾルのウイルスは、2分間、119Wで50%、385Wで65%、700Wで90%が不活化。
・マスクに付着したHCVとHIVは360W以上3分間でウイルスが不活化。
・マスクが品薄で入手できない場合はマスクの再利用するしかない。
・SARS-CoV-2はエアロゾルで感染(空気感染)する可能性が指摘。
・マスクについたエアロゾルのウイルスは、2分間、119Wで50%、385Wで65%、700Wで90%が不活化。
・マスクに付着したHCVとHIVは360W以上3分間でウイルスが不活化。
<マスクに関するevidence>
・アジア、欧米での複数回のRCTによると、無症状集団のマスク装着はインフルエンザの感染を予防できない。CDCやWHOはこれを元に無症状の人へのマスクを推奨しなかった。
・Ann Intern Medに掲載された韓国からの報告で、COVID-19患者においてサージカルマスク、布マスク、マスクなしで、呼気中ウイルス量は同じ。マスクにはSARS-CoV-2ウイルス量を減らす効果がない。しかし、後に撤回。
cf)https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/L20-0745
・マスクを着用することで、呼気中のウィルス量は同じでも、飛沫や呼気の伝達距離が明らかに短くなる(実証済み)。つまりsocial distanceが、効果を発揮でき易い状態になる。
・低コスト、低侵襲、マスクをするだけという手軽さを考えたら、たとえ『有意差は無いが感染を抑制する傾向はみられた』程度の結果であったとしても、マスクをしないという選択肢が見当たらない。
・2020年4月3日号Nature Medicineの論文ではコロナに対してマスクはエアロゾルの飛散を防止して有効。これによりCDCも推奨を変更。
・マスクは感染予防効果はないか、あってもごく僅か、しかし、無症候キャリアのウィルスばら撒きを減少させる効果はある。無症候キャリアか非キャリアかは区別できないため、多数がマスクをするようになれば無症候キャリアのマスク着用率も上がり、ひいてはばら撒かれるウィルスが減少する。
cf)Respiratory virus shedding in exhaled breath and efficacy of face
masks.Nat Med. 2020 May;26(5):676-680. doi:
10.1038/s41591-020-0843-2.Epub 2020 Apr 3. PMID: 32371934
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0843-2
・アジア、欧米での複数回のRCTによると、無症状集団のマスク装着はインフルエンザの感染を予防できない。CDCやWHOはこれを元に無症状の人へのマスクを推奨しなかった。
・Ann Intern Medに掲載された韓国からの報告で、COVID-19患者においてサージカルマスク、布マスク、マスクなしで、呼気中ウイルス量は同じ。マスクにはSARS-CoV-2ウイルス量を減らす効果がない。しかし、後に撤回。
cf)https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/L20-0745
・マスクを着用することで、呼気中のウィルス量は同じでも、飛沫や呼気の伝達距離が明らかに短くなる(実証済み)。つまりsocial distanceが、効果を発揮でき易い状態になる。
・低コスト、低侵襲、マスクをするだけという手軽さを考えたら、たとえ『有意差は無いが感染を抑制する傾向はみられた』程度の結果であったとしても、マスクをしないという選択肢が見当たらない。
・2020年4月3日号Nature Medicineの論文ではコロナに対してマスクはエアロゾルの飛散を防止して有効。これによりCDCも推奨を変更。
・マスクは感染予防効果はないか、あってもごく僅か、しかし、無症候キャリアのウィルスばら撒きを減少させる効果はある。無症候キャリアか非キャリアかは区別できないため、多数がマスクをするようになれば無症候キャリアのマスク着用率も上がり、ひいてはばら撒かれるウィルスが減少する。
cf)Respiratory virus shedding in exhaled breath and efficacy of face
masks.Nat Med. 2020 May;26(5):676-680. doi:
10.1038/s41591-020-0843-2.Epub 2020 Apr 3. PMID: 32371934
https://www.nature.com/articles/s41591-020-0843-2
<マスクの種類とエアロゾル透過率>
・1個のエアロゾルの中に約250個のウィルスがあり、300個のウィルスで感染成立する。1分間の呼気中に3000個のエアロゾルがある。エアロゾルの透過率はポリエステルマスクが100%、布マスクが30%、不織布マスクが3%。
・ポリエステルマスク装着の感染者が1分間呼吸すると250×3000=750000個のウィルスが放出され、相手が不織布マスクをしている場合は透過率が3%なので、750000×0.03=22500個のウィルスを1分間で吸い込むことになる。300個のウィルスで感染が成立するので、1分×(300/22500)=1/75分=0.8秒で感染成立。
・不織布マスク装着の感染者が1分間呼吸すると250×3000×0.03=22500個のウィルスが放出され、相手が不織布マスクをしている場合は透過率が3%なので、22500×0.03×=675個のウィルスを1分間で吸い込むことになる。300個のウィルスで感染が成立するので、1分×(300/675)=0.44分=26秒で感染成立。
・100m2、高さ2.5mの密閉空間で感染者がポリエステルマスクをして30分呼吸した場合、250×3000×30=22500000個のウィルスが放出される。密閉空間の容積は250m3なので、1m3あたり2250000÷250=90000個のウィルス量。1m3=1000Lなので1Lあたりは90個。1回換気量を0.5Lとすると、1回の換気で45個のウィルスを吸い込む。300個のウィルスで感染成立するので300÷45=約7回の呼吸で感染成立する。
・感染者が不織布マスクをしていた場合は、放出ウィルス量が3/100=1/33に抑えられるので7×33=231回の呼吸で感染成立。1分間の呼吸数は15回程度なので231÷15=15分で感染成立。
・したがって、密閉空間であっても店内の人が全て不織布マスクをしていた場合は30坪の店内なら15分までは感染成立しない。
・1個のエアロゾルの中に約250個のウィルスがあり、300個のウィルスで感染成立する。1分間の呼気中に3000個のエアロゾルがある。エアロゾルの透過率はポリエステルマスクが100%、布マスクが30%、不織布マスクが3%。
・ポリエステルマスク装着の感染者が1分間呼吸すると250×3000=750000個のウィルスが放出され、相手が不織布マスクをしている場合は透過率が3%なので、750000×0.03=22500個のウィルスを1分間で吸い込むことになる。300個のウィルスで感染が成立するので、1分×(300/22500)=1/75分=0.8秒で感染成立。
・不織布マスク装着の感染者が1分間呼吸すると250×3000×0.03=22500個のウィルスが放出され、相手が不織布マスクをしている場合は透過率が3%なので、22500×0.03×=675個のウィルスを1分間で吸い込むことになる。300個のウィルスで感染が成立するので、1分×(300/675)=0.44分=26秒で感染成立。
・100m2、高さ2.5mの密閉空間で感染者がポリエステルマスクをして30分呼吸した場合、250×3000×30=22500000個のウィルスが放出される。密閉空間の容積は250m3なので、1m3あたり2250000÷250=90000個のウィルス量。1m3=1000Lなので1Lあたりは90個。1回換気量を0.5Lとすると、1回の換気で45個のウィルスを吸い込む。300個のウィルスで感染成立するので300÷45=約7回の呼吸で感染成立する。
・感染者が不織布マスクをしていた場合は、放出ウィルス量が3/100=1/33に抑えられるので7×33=231回の呼吸で感染成立。1分間の呼吸数は15回程度なので231÷15=15分で感染成立。
・したがって、密閉空間であっても店内の人が全て不織布マスクをしていた場合は30坪の店内なら15分までは感染成立しない。
<ワクチンについて>
・ファイザー、モデルナ:mRNAワクチン(核酸ワクチン)
・アストラゼネカ:DNAワクチン(ウィルスベクターワクチン)→抗体産生効率悪い
・中国製:蛋白ワクチン(従来の不活化ワクチンと同じ)→液性免疫のみ。仏サノフィ社Flublokは臨床評価が高い、米ノババックスも製造中
・中国シノファーム製のワクチン(不活化ワクチン)を接種した中国人で感染例が多発。
・国産不活化ワクチンはKMバイオが春頃から臨床試験を開始予定。
・核酸ワクチンやウイルスベクターワクチンは変異株にも迅速に実用化できるのが利点。
・RNAワクチン:脂質ナノ粒子(LNP)で包んだmRNA(S蛋白:スパイク蛋白をコード)が宿主細胞内(筋注→筋細胞や樹状細胞)に入りS蛋白を合成し液性、細胞性免疫発現を促す。従来型の蛋白ワクチンでは液性免疫しか発現せず。
・SARS-CoV-2が感染するにはS蛋白が宿主細胞のACE2と結合することが必要。ファイザー、モデルナ製はS蛋白全体の塩基配列を使う。
・ウィルスベクターワクチンはアデノウィルスに特定の遺伝子(DNA)を組み込み、ヒトの細胞内で遺伝子から蛋白合成を行う。
・mRNAワクチンはprecision medicine、特に癌免疫療法用の医薬品として開発が進んでいる。今後は日常的な医療に応用されると思われる。
・ファイザー、モデルナの有効率は90%(=非接種群の発症率よりも接種群の発症率のほうが90%少なかった、発症リスクが10分の1になるということ)。アストラゼネカは有効率70%。
・米は人口の10%が感染、日本は0.3%前後が感染。ワクチンを接種した米よりも日本の感染率が低いのが現状。
・重症化予防効果の評価は今後の課題。75歳未満までは有意な有効性があるが、75歳以上では評価できていない。
・筋肉内注射で21日から28日の間隔で2回接種する。
・ファイザー製ワクチンは-70℃で6ヶ月保管可能。アストラゼネカ製は室温で保存可能。
・長期的な副作用は主にはSARS-CoV-2感染後に似た副反応が出てくる可能性あり。
・ファイザー、モデルナの治験第3相で2回目接種時に15%の被接種者が発熱(不活化インフルエンザワクチン、PPSV23、PCV13の発熱頻度は、それぞれ1%、1.6%、4.2%)。
・mRNAワクチンの接種部位の疼痛の頻度が70-80%台。ファイザー製では、1回目接種後の約30%、2回目接種後の約15%に日常生活に支障きたす疼痛が報告された(23価肺炎球菌ワクチン(PPSV23)58.3%、13価肺炎球菌ワクチン(PCV13)68.2%)。
・倦怠感、頭痛、寒気、嘔気・嘔吐、筋肉痛などの頻度が高いが、対照群でもある程度みられている。
・短期的には一般のワクチンに比べてアナフィラキシーの頻度が高い(インフルエンザ100万人に1.35人vs100万人に22人)。
・mRNAは分解されやすく長期間細胞内に残存することはない。ヒトの染色体に組み込まれることもない。しかし、mRNAを今後繰り返し投与する場合の安全性、LNPに含まれる脂質の長期的な安全性はまだ明らではない。
・VAEDやADEの可能性。接種を受けていない人よりも症状が増悪するワクチン関連疾患増悪(VAED:vaccine-associated
enhanced disease)がRSウイルスワクチンや不活化麻疹ワクチン導入時に見られた。ワクチンによって誘導された抗体によって逆に感染しやすくなる抗体依存性感染増強(ADE)がデング熱ワクチンでは見られた。
・ITPを引き起こすASIAの可能性。ASIA:Autoimmune Syndrome Induced by
Adjuvants(アジュバント誘発性自己免疫症候群)。ワクチン内のアジュバントで誘発される症候群。HBV,MMR,HAVワクチンでITPを起こしたことがある。
・米産婦人科医56歳がファイザー製のワクチン接種後3日目にITPで死亡。
・顔面麻痺、ベル麻痺がイスラエルで多発(VAERSデータベースチェック)。
・ワクチンの値段:ファイザー1500円-2000円、モデルナ4000円、アストラゼネカ200-400円。
・イギリス変異株はスパイクのN蛋白にB117変異、南ア、ブラジルなどのE484変異株ではモデルナの効果が6分の1に低下。
・イスラエルではワクチン接種後、コロナが疑わしい症状が出ても、PCR陰性者は除外。それを考慮するとワクチンの効果は19%、良くて29%で基準の50%を満たしていない可能性あり。
・日本産婦人科感染症学会「妊婦への安全性は確立していない」。
・自然感染後の抗体陽性者は再感染するリスクは低い(少なくとも31週)。
cf)
・https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2012_covid_vaccine.pdf
・https://blogs.bmj.com/bmj/2021/01/04/peter-doshi-pfizer-and-modernas-95-effective-vaccines-we-need-more-details-and-the-raw-data/
・https://www.google.com/amp/s/amp.usatoday.com/amp/6574414002
・https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2034577?query=recirc_curatedRelated_article
・Antibody status and incidence of SARS-CoV-2 infection in health care
workers.(NEJM December 23, 2020.)
・ファイザー、モデルナ:mRNAワクチン(核酸ワクチン)
・アストラゼネカ:DNAワクチン(ウィルスベクターワクチン)→抗体産生効率悪い
・中国製:蛋白ワクチン(従来の不活化ワクチンと同じ)→液性免疫のみ。仏サノフィ社Flublokは臨床評価が高い、米ノババックスも製造中
・中国シノファーム製のワクチン(不活化ワクチン)を接種した中国人で感染例が多発。
・国産不活化ワクチンはKMバイオが春頃から臨床試験を開始予定。
・核酸ワクチンやウイルスベクターワクチンは変異株にも迅速に実用化できるのが利点。
・RNAワクチン:脂質ナノ粒子(LNP)で包んだmRNA(S蛋白:スパイク蛋白をコード)が宿主細胞内(筋注→筋細胞や樹状細胞)に入りS蛋白を合成し液性、細胞性免疫発現を促す。従来型の蛋白ワクチンでは液性免疫しか発現せず。
・SARS-CoV-2が感染するにはS蛋白が宿主細胞のACE2と結合することが必要。ファイザー、モデルナ製はS蛋白全体の塩基配列を使う。
・ウィルスベクターワクチンはアデノウィルスに特定の遺伝子(DNA)を組み込み、ヒトの細胞内で遺伝子から蛋白合成を行う。
・mRNAワクチンはprecision medicine、特に癌免疫療法用の医薬品として開発が進んでいる。今後は日常的な医療に応用されると思われる。
・ファイザー、モデルナの有効率は90%(=非接種群の発症率よりも接種群の発症率のほうが90%少なかった、発症リスクが10分の1になるということ)。アストラゼネカは有効率70%。
・米は人口の10%が感染、日本は0.3%前後が感染。ワクチンを接種した米よりも日本の感染率が低いのが現状。
・重症化予防効果の評価は今後の課題。75歳未満までは有意な有効性があるが、75歳以上では評価できていない。
・筋肉内注射で21日から28日の間隔で2回接種する。
・ファイザー製ワクチンは-70℃で6ヶ月保管可能。アストラゼネカ製は室温で保存可能。
・長期的な副作用は主にはSARS-CoV-2感染後に似た副反応が出てくる可能性あり。
・ファイザー、モデルナの治験第3相で2回目接種時に15%の被接種者が発熱(不活化インフルエンザワクチン、PPSV23、PCV13の発熱頻度は、それぞれ1%、1.6%、4.2%)。
・mRNAワクチンの接種部位の疼痛の頻度が70-80%台。ファイザー製では、1回目接種後の約30%、2回目接種後の約15%に日常生活に支障きたす疼痛が報告された(23価肺炎球菌ワクチン(PPSV23)58.3%、13価肺炎球菌ワクチン(PCV13)68.2%)。
・倦怠感、頭痛、寒気、嘔気・嘔吐、筋肉痛などの頻度が高いが、対照群でもある程度みられている。
・短期的には一般のワクチンに比べてアナフィラキシーの頻度が高い(インフルエンザ100万人に1.35人vs100万人に22人)。
・mRNAは分解されやすく長期間細胞内に残存することはない。ヒトの染色体に組み込まれることもない。しかし、mRNAを今後繰り返し投与する場合の安全性、LNPに含まれる脂質の長期的な安全性はまだ明らではない。
・VAEDやADEの可能性。接種を受けていない人よりも症状が増悪するワクチン関連疾患増悪(VAED:vaccine-associated
enhanced disease)がRSウイルスワクチンや不活化麻疹ワクチン導入時に見られた。ワクチンによって誘導された抗体によって逆に感染しやすくなる抗体依存性感染増強(ADE)がデング熱ワクチンでは見られた。
・ITPを引き起こすASIAの可能性。ASIA:Autoimmune Syndrome Induced by
Adjuvants(アジュバント誘発性自己免疫症候群)。ワクチン内のアジュバントで誘発される症候群。HBV,MMR,HAVワクチンでITPを起こしたことがある。
・米産婦人科医56歳がファイザー製のワクチン接種後3日目にITPで死亡。
・顔面麻痺、ベル麻痺がイスラエルで多発(VAERSデータベースチェック)。
・ワクチンの値段:ファイザー1500円-2000円、モデルナ4000円、アストラゼネカ200-400円。
・イギリス変異株はスパイクのN蛋白にB117変異、南ア、ブラジルなどのE484変異株ではモデルナの効果が6分の1に低下。
・イスラエルではワクチン接種後、コロナが疑わしい症状が出ても、PCR陰性者は除外。それを考慮するとワクチンの効果は19%、良くて29%で基準の50%を満たしていない可能性あり。
・日本産婦人科感染症学会「妊婦への安全性は確立していない」。
・自然感染後の抗体陽性者は再感染するリスクは低い(少なくとも31週)。
cf)
・https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2012_covid_vaccine.pdf
・https://blogs.bmj.com/bmj/2021/01/04/peter-doshi-pfizer-and-modernas-95-effective-vaccines-we-need-more-details-and-the-raw-data/
・https://www.google.com/amp/s/amp.usatoday.com/amp/6574414002
・https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2034577?query=recirc_curatedRelated_article
・Antibody status and incidence of SARS-CoV-2 infection in health care
workers.(NEJM December 23, 2020.)